BOHOスタイル手織りウールラグのご紹介 パンジャ・ドゥリー(Punja Dhurries)とは?

BOHOスタイル手織りウールラグのご紹介 パンジャ・ドゥリー(Punja Dhurries)とは?

こんにちは「RUG FOREST」です。
プライベートレーベルにて展開しております手織りウールラグのご紹介になります。各商品ページでも可能な限り詳細を記載しておりますが、文字数の都合上お伝えしきれない部分についてさらに掘り下げて解説したいと思います。

RUG FOREST (From INDIA)

手織りのラグやカーペットを専門とするインドのファクトリーにて製造。デザイナー自身もラグのコレクターであり、特にナバホラグやオールドキリム、トライバルラグなどのコレクションアーカイブからインスピレーションを得たネイティブアメリカンスタイルのデザイン制作を得意とし主に欧米の顧客から支持されています。

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このたびご縁があって製造を依頼することになったインドのファクトリーはラジャスタン州の州都ジャイプール近郊に拠点を構えております。ジャイプールと言えば世界遺産に登録された旧市街、赤い城壁で囲まれた別名「ピンクシティ」と呼ばれる人気の観光地がありますが、ラジャスタン州北部は古くから民族衣装のサリーをはじめとした織物産業が盛んな地域でもあります。必然的に熟練の織り職人さんたちも多く存在し、隣接するパキスタンを含め、絨毯・カーペットを織る工房も多く点在しています。余談ですが本来の発音的には「ジャイプル」が正しいらしいです、念のため。

パンジャ・ドゥリー(Punja Dhurries)とは?

Punja(パンジャ織り)のDhurries(床敷)と呼ばれ、古くから愛されている織物のラグです。インドの伝統的な技法、平織りの一種であるパンジャ織りは、織りながら「パンジャ」という鉄の鉤爪のような道具を使い密に目を詰めていく工程があります。

非常に丈夫で耐久性に優れ、しっかり目の詰まった仕上がりとなるのが特徴です。また手織りのため職人の技術次第では複雑で繊細な織模様の表現も可能です。画像では伝わりにくいのですが、度詰めしていく工程により柄や色の境目に微かな凹凸が生まれます。

この微妙な立体感もパンジャ織りの特徴であり、このことからタペストリー織りとも呼ばれています。そして平織りであるため世界各地で作られている他の平織りラグと同様に表裏同じ柄になり両面使用が可能です。

パンジャ織りについて、工程の一部をこちらのムービーで見ることができます。

 

素材は何で作られている?

伝統的に主としてウールとコットンを用いて作られますが、ジュート(麻)を用いる事もあります。基本的には天然素材のみを使用したシンプルな作りであり、アクリルやポリエステルなどの化学繊維で作られたものとは違い、適切にメンテナンスすれば数十年も長保ちし、いずれヴィンテージとして取引されるような価値のある織物です。ちなみに当店取扱いのアイテムは表面を形成する緯糸(よこいと)は上質なニュージーランド産ウール100%を使用しています。ニュージーランド産ウールは充分な供給が可能なことから均質なクオリティを保つ事ができること、さらには毛足が長く強いためハリコシがあるのでカーペットやラグ製品用途に最も適したウールなのだそうです。ベースとなる経糸(たていと)には綿100%を使用しています。凧糸などを連想していただければ解りやすいですが、綿糸はラグの強靭な基盤となります。(このため全体の組成はウール80%,綿20%となります。)

ウールのラグって夏は暑くないの?

確かにウールと聞くと冬物衣類の主要素材であり、その温かさや保温力は説明するまでもないくらい広く一般に知れ渡っておりますので「夏は暑そう」と思う方も多く居られると思います。しかしウール製のラグ、実は「冬は暖かく夏は涼しい」という特性があります。ウールには保温だけではなく調湿という作用もあり、この調湿作用により空気中の水分を吸収したり発散したりするので、表面はある程度一定のサラサラ感を保ちます。梅雨時や猛暑のあの不快感は湿度が原因ということは多くの方がご存じのように、湿度がコントロールされるというのは大きなメリットであり、高温多湿な日本の夏にこそ向いている素材とも言えます。そしてこのような性質があるのは天然素材だからこそのものです。すごいぞ羊さん。古くからカーペットやラグの最適素材として使われてきた歴史がそれを証明してもいますので、共感していただけたなら是非ウールラグを取り入れて頂き、体感して欲しいと願っております。

フリンジの有り無し

一般的に「平織り」のラグの場合、その工程の特性から必ず上下にフリンジが存在しますが、これの正体は経糸(たていと)であり、残った経糸を少しずつ束ねて結び「房」にしたものです。

 

今回はこのフリンジを無くす(正確には無くす、外す、のではなく経糸が見えないようにグルグル巻いて綴じる)バインディングエッジにて仕上げて貰っています。何故この仕様を選んだのか?実は当店が依頼したファクトリーではこのフリンジの有り無しを選ぶ事ができるのですが、どちらの仕様が人気なのか尋ねてみたところ「圧倒的にフリンジ無しの方が需要があるしお勧めしますよ。お掃除するのに便利だから。」との事…なるほど確かに一理ありますね。それまで私個人的にはフリンジ有りの方がクラシカルな雰囲気で好みかなと思っていたのですが、これを聞いて意見が変わりました(笑)実際に出来上がった製品を確認し、スクエアな仕上がりと床に敷いた時のスッキリ感を見て正解だったなと思いました。そして掃除機をかける時にフリンジを吸い込むプチストレスが無いのも地味に嬉しい。やはりプロの意見には従うものだなと改めて思いました。実際のところ職人さん的には一手間加わる仕上げ方のようですが、労を惜しまず敢えて勧めてくれた事で、工房スタッフに対する信頼感が増した、という事も付け加えておきます。

サイズについて

今回、当店では5x3フィートと6x4フィートの2種類のサイズでご提案します

ざっくりですが、5x3フィートは約1畳程度、6x4フィートは約1.5畳程度のサイズ感となり、どちらもリビング用途に使い易く一般的な2~3人掛け用ソファ前に置いて丁度良いくらいのサイズ感になります。(当店の画像で使用しているソファはカリモク60 Kチェア2シーターです。)1フィートは約30.48cm、わかりやすく30cmとして考えると5x3は150x90cm、6x4は180x120cmくらいになります。実際のところ手織りのラグというのは厳密にサイズを調整する事は不可能に近い(デザイナー談)との事なので、これくらいのざっくり換算で考慮頂いた方がよろしいかと思われます。工房ではもちろん、さらに巨大なサイズや廊下用の細長いランナーなど様々なサイズのものが作られていますが、今回は一般的に利用し易いであろう2サイズに厳選しました。価格については使用する素材やデザインの難易度によって上下するものの、基本は1スクエアフィート(平方フィート)幾らという計算になっておりまして、当然ですが大きくなればなるほど高価になっていきます。なおこちらのファクトリーが主に欧米、特に米国の顧客を多く抱えている事もありフィート単位をメインに使用しているとのことで、当店もそれに合わせております。ややご不便かもしれませんが当社の管理都合上ご容赦願います。

5x3フィート

 

6x4フィート6x4フィート

 

ウールラグのメンテナンスについて

ウールのメンテナンスというと難しく考えてしまうかもしれませんが、あまり深く考える必要はありません。基本的には定期的な掃除機掛けで十分です。新品購入後、初期のころはウール特有のいわゆる遊び毛が出やすいため、少し多めの頻度で掃除機をかけると良いでしょう。幾度となくお掃除を繰り返す事で次第にウールの表面が馴染んでより快適な使用感になっていきます。またこの遊び毛も考え方によってはデメリットばかりではありません。細かな塵や埃、さらには軽度の汚れであれば絡め取ってくれる効果も期待できるので、必要以上に目の敵にするのはやめましょう(笑)

なおウール(羊毛)には天然のワックスともいうべき「ラノリン」という油分が含まれています。このため少々の水分や汚れを弾きやすい特性があります。しかしながら目いっぱいのコーヒーをぶちまけてしまったり、という場合にはその限りではありません。特に濃色の水分汚れなどは繊維に浸み込んで色が定着してしまう前に早めに拭き取りましょう。この際のポイントとしてはゴシゴシと擦るのではなく、タオルや布などを使ってトントンと叩いて汚れを取り除いていきましょう。「タオルや布側に汚れを移す」ように意識しながら丁寧に叩いていくのがコツです。

またこちらのラグは両面使用可能となっていますので、定期的にひっくり返しながら両面を均等に使用していくのも長持ちさせるための秘訣です。片面には品質表示のケアラベルが縫い付けてありますが、これはミシンで簡単に叩いてあるだけなので縫い糸を切れば取り外す事は可能です。但し取り外したラベルは念のため一応保管しておくことをオススメします。いざクリーニングに出す、となった時には有った方が安心です。

どうしても丸洗いしたい!となった場合は絨毯専門のクリーニング業者にご相談いただく事をお勧めします。ウール製品は洗濯や干し方によって縮みや歪みが起きやすく、また重量があるため洗濯機のご使用は不可です。方法としてはウール専用の洗剤を利用して浴槽などでの足踏み洗い、広い屋外の場所に拡げてデッキブラシで擦るなどが考えられますが、水分を含んだラグは想像以上に重たくなり、相当な重労働となる事を覚悟しなければなりません。セルフでの洗浄が不可能とまでは言いませんが、ここは素直に専門のプロに任せることをオススメします。

まとめ

今回はパンジャ・ドゥーリ―というウールラグについて解説させていただきました。

RUG FORESTではこのたび2つのライン、海外ファクトリーの協力を得て実現したプライベートレーベルを展開していく運びとなりました。プロダクト毎にそれぞれのジャンルに精通した専業のファクトリーに製造を依頼、クオリティ・デザイン・コストパフォーマンスと3要素のバランスを重視した日常使いでご満足いただける独自の商品を供給する事を目標にしています。また現地のコミュニティやサプライヤーにも配慮し、持続可能性と公正な貿易取引を心掛けています。

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それでは今後とも宜しくお願い致します。

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